《いなくなれ、群青》

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清新澄澈的文字中又帶著一些灰暗與哀傷,氛圍就足夠吸引人。除去世界觀設定的話,基本是一個細膩純粹的少年少女間的青春故事,過程有郁有虐,總體基調還算比較明亮。關於被捨棄之人的島與尋找遺失之物、悲觀放棄主義男主與率直過頭理想主義女主之間憧憬與依靠的情感等展開的故事。場景的描寫很有畫面感,回憶裡的夜空那段太夢幻了。島的秘密的揭開是這一本的高潮,前面埋下不少伏筆。
 
圍繞被捨棄之人的島展開的故事。島上的人都不知自己為何被捨棄、如何來到這島上,喪失了來島之前一小段時間的記憶,且都有著某種缺陷。島上可以接受來自島外的信息、郵件、包裹,卻無法將島內的信息以任何形式傳遞到外界,但出島的條件則是“尋找到自己所失去的東西”。所以故事展開的一條線索就自然是主角探索來到這裡的原因、離開島嶼的辦法以及關於支配這座島的魔女。另外還有突然來到島上、年齡小得不合規則的少年以及連續塗鴉事件。但是這本書並不是mystery,過程中的展開更側重於展現島上各種人們的生活狀態,並且探討關於幸福、該不該回去的話題。這種基本生活受到保障、與世隔絕的停滯的生活或許不能說是幸福,但也絕對比“不幸”這一狀態好很多。人生來就是遵循著一定的規則並受其支配,這些事物往往是一些離日常很遙遠或無形的東西,在這座島上也只是把支配者換成“魔女”這一同樣虛幻的概念罷了。而且回到自己被拋棄的地方是正確的選擇嗎?
 
角色方面,男主七草是悲觀主義、習慣放棄的人,不反抗也不爭取。女主角真邊由宇則是有著將自己的想法全部誠實表達、有時傷了人而不自知的過分率直、對正確事物不計代價堅持的過分正義,理想主義者。對七草來說,由宇是他所憧憬的“英雄”,只要像pistol star一樣發出耀眼的光芒,即使這光芒離自己很遙遠無法照到自己,只要知道她在某處閃耀著就滿足了,因而他不能接受、不想看見由宇失去光芒的樣子,保護這道光也是自己絕對不能放棄的唯一一件事。但同時對由宇來說,七草也是自己重要的依靠,自己不顧及旁人一直朝著理想衝刺,給他添了很多麻煩,但也多虧有七草一直為她善後。全文沒提到一個“愛”字,但對七草執著于pistol star和鑲嵌著星星的群青色夜空的描寫、對兩人約定和七草知道離別消息的笑容的描寫、對由宇執意要跟著男主淚流滿面的描寫,都表現出了他們深深的羈絆和他們之間的浪漫和夢幻。
 
全書的高潮從島的秘密的揭開開始,前面埋下的伏筆——包括來島時詢問名字的“儀式”、塗鴉中語句的內涵、男主悲觀主義傾向的假設、男女主來島的時間等等,一下子串聯起來,七草的目的、七草和由宇來到這裡的理由至此明了。結尾七草送走了由宇後覺得群青消失、自己陷入了黑暗的一段挺虐,讓我想到了《CROSS CHANNEL》最後孤身一人的男主。不過沒在這裡結尾我還是覺得有些遺憾的(喂)。關於魔女、島外小正太家庭問題以及由宇打算如何證明捨棄了自己和七草的人是錯誤的這一點上是未來讓人比較在意的地方。
 
 
筆記摘錄:
 
P7:どこにもいけないものがある。
錆びついたブランコ、もういない犬の首輪、引き出しの奥の表彰状、博物館に飾られた骨格標本、臆病者の恋心、懐かしい夜空。
みんな、停滞している。未来に繋がることはなく、思い出の中で、寒さに震えるように身を縮こめている。それは悲しいけど、同時にささやかな安らぎも持ち合わせている。少なくとも彼らが、なにかに傷つくことはもうない。
 
P11:風を感じるってのはね、つまり移動しているってことなんだ。大きな字で幸せって書いた黄色い旗が、どこかにぽつんと立っているとしよう。
でもね、その旗の下で丸まってりゃいいってもんじゃないんだよ。そこがどんな楽園でも、満ち足りた場所でも、停滞していると幸せとは呼べない。旗に向かってにじり寄っていく、その移動こそが幸せの本質だ。
 
P41:人生というのはそいうものです。不透明な力で生まれた支配者によって、知らない間に定められたルールに従って、その中で生きていくものです。
 
P53:誰にだってそれぞれの居場所というのがあるんだ。深海魚には深海魚の居場所があり、ホッキョクグマにはホッキョクグマの居場所がある。海の底でここは暗すぎるといっても仕方がないし、北極でどうしてこんなに寒いところにいるのと尋ねても仕方がない。あるいは深海魚だって、青空に憧れているのかもしれない。ホッキョクグマだって、南国でフラダンスを踊りたいのかもしれない。でもね、彼らにはそれができないんだよ。彼らの前で、私は青空の下でフラダンスを踊りますといったら、そりゃやっぱり傷つくさ。
 
P118:キャッチボールを見飽きないのは、そこになんらかの秩序があるかもしれない。鳥は飛ぶ姿にも、噴水が吹き上がる様にも、言葉にしづらいけれど秩序を感じる。重力は巨大な秩序だ。
 
P148:暇と休息の違いを知っているか?
それらは共に束縛のない時間だ。まっしろで、自由だ。でも人間は本質的に自由を求めているわけじゃない。不自由の中に、息継ぎみたいに自由が混じるからいいんだ。自由ばかりだとどうしていいのかわからなくなっちまうんだ。誰だって同じだよ。休息は愛せても、暇は愛せない。
 
P163:大いなる悲観主義は、大いなる楽観主義に通じる。 なにもかもを諦めていれば、なにも期待しなければ、なんだってできる。
 
P216:人は幸せを求める権利を持っているのと同じように、不幸を受け入れる権利だって持っているんだよ。
いったいどこに、何もかもが思い通りになった人がいるんだ。子供のころに夢みたことを、すべて叶えた人がいるんだ。大切な相手みんなとずっと一緒にいられる生活があるんだ。嫌なことがひとつも起こらない場所があるんだ。悲しみと苦しみもない人生があるんだ。
ひっそりと不幸を受け入れることを、たったのひとつも許さないなら、そんなに悲劇的な生き方はない。
 

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